[今だから読みたい]僕はイエローでホワイトでちょっとブルー「自分は何者なのか?」

エンタメ

 

突然ですが、皆さんは自分が「どこの国の人」か考えたことはありますか?

住民の大多数が、両親に日本人を持ち、国外で生活することなく一生を終える日本では、あまり取り上げられない質問でよね。

しかし、世界に目を向けてみると状況が全く異なる国や地域も数多く存在します

分かりやすいところでいけば、アメリカやオーストラリアなどの移民国家があげられますね。

そのような地域では、両親が異なる人種であったり、周りの多数派の人間と人種が異なったりすることから、アイデンティティーについて深く悩む子供たちが多いようです。

今回ご紹介する、「僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー」は、そんな日本にいるだけでは気づきづらい、大切ことに気づかせてくれる、そんな一冊になっています。

この記事を読んで、少しでも気になった方は是非、手に取っていただきたいと思います。

それでは行きましょう⇩

 

基本情報


         ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

タイトル:ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー             作者:ブレイディみかこ                         出版社:新潮社
本書は、渡英し現地のイギリス人男性と結婚した筆者が、自身の息子「ぼく」の中学校生活を描くノンフィクションストーリー
「ぼく」の通う中学校は元・底辺中学校で、毎日が事件の連続。
日本の中学校では、なかなか想像ができない、人種差別貧富の差アイデンティティなどの諸問題に、思春期真っ只中の息子とパンクな母ちゃんが悩みながら挑んでいきます。

本書の魅力

本書の魅力は「世界レベルの社会問題を親子の視点を通してリアルに追体験できること」ですね!
世界で現在問題にになっている、人種問題や格差問題、ジェンダーに関する問題、そして政治思想による分断などが、「ぼく」の日常生活の中に紛れ込んでくる様子が克明に描かれています。
冒頭にも書いた通り、日本で生まれ育った人にとって、それらの問題は、なかなか実感することができません。
しかし、本書を読むことで思わず「自分だったらどうするかな?」と考えさせられてしまいます
私が一番印象に残っているのは、「ぼく」が自分のアイデンティティーに悩むシーンです。
「ぼく」は、日本人の母と英国人の父を持っている、いわゆる”ハーフ”。
英国で生まれ育ったこともあり、本人は自分を「英国人」と考えいますが、ある時、「東洋人(オリエント)」として差別される経験します。
かと思えば、日本で立ち寄った飲食店では、「ガイコクジン」として扱われる…
「ぼく」は自分がどこに帰属する何者なのか、ということを母と一緒に悩みます…
中学生の少年が、自分のアイデンティティ悩んでいる姿には、言葉にできないような複雑な感情を覚えました。
冒頭でも書いた通り、日本で生まれ育った多くの人にとって、アイデンティティや人種問題は、あまりなじみ深い問題ではありません。
しかし、これから時流に流され、徐々に日本でも人種的な多様性は上昇していく事でしょう
はたまた、自分から海外へ出ていく事があるかもしれません。
そうなれば、いつ自分がその様な問題の当事者になるかわかりません
本書は、その日が来る前に、私たちに考える「きっかけ」をくれる、そんな一冊になっていると思います。

おわりに

最後まで読んでくださった皆さんありがとうございました!
本書は、様々な立場の人それぞれに、「考えるきっかけ」を与えてくれる素敵な一冊となっています。
もし、この記事を読んでこの本を読んでみたい!という方は下に、本書のリンクを張っておくので、ご確認ください!
では、また!

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